デストラクション ベイビーズ あらすじ。 「ディストラクション・ベイビーズ」のあらすじと感想

ディストラクション・ベイビーズ (2016)

デストラクション ベイビーズ あらすじ

あらすじは明瞭である。 喧嘩に負けてしまった芦原泰良(柳楽優弥)は復讐を誓い、まるでロールプレイングゲームで経験値を積むかのように、街でストリートファイトに明け暮れる。 いきがってはいるがヘタレな高校生の北原裕也(菅田将暉)は、泰良とつるむことで退屈な自分自身から飛躍できるのではないかと思い、行動を共にする。 といっても一緒に戦うわけではなく、スマホで泰良のファイトを撮影し、自分より圧倒的に弱そうな対象(例えば女性など)に暴力をふるうのみなのだが。 彼らの行動が事件化していくなか、ふたりはキャバ嬢の送りの車を強奪、車中にいた那奈(小松菜奈)を拉致し、逃避行が始まる…というものだ。 地方都市の無軌道な若者たちによるダークな青春ロードムービーといってしまえばそれまでなのだが、本作からは決してそんな単純な印象を受けない。 まずは、何といっても、芦原泰良のカリスマ性だろう。 無口で何を考えているのかわからない、ゆえに深淵な人物にも単なる狂人にも見える存在感。 「地獄の黙示録」のカーツ大佐(マーロン・ブランド)とでも言おうか。 彼の行動には、何らかの哲学すら感じさせられてしまう。 社会のルールなどまったく無視した振る舞いは、ヒーロー然とすらしているのだ。 その泰良という圧倒的な存在によって、北原裕也や那奈といった凡庸で姑息な普通の人々(言い換えれば、私たち)の「弱さ」や「醜さ」が浮き彫りにされるのである。 北原裕也は、自分に自信がないゆえに、泰良に引き寄せられ、巻き込まれていく。 自分だって何者かでありたいという彼の切実な欲求は、誰しも共感しうるところだろう。 そして、裕也が、結局、転落していくのは、その「弱さ」ゆえである。 他人に仮託してみても、何者かにはなれないからだ。 那奈の「醜さ」は、泰良たちに巻き込まれることで、思いもかけない「強さ」となって発揮される。 意味もなく拉致され、圧倒的な暴力に晒された彼女が、彼らとどう対峙するのか、その具体的な在り様は劇場で確かめて欲しいのだが、普通の人々が生き延びていくということは、時に「醜さ」やそれゆえの「強さ」が必要なのだろう。 生きるか死ぬかというと大きな話になるが、仕事でも恋愛でも、当て嵌まることが言えるのではないかと思う。 また、ストリートファイトのシーンも特筆すべきものだ。 とにかくリアルなのである。 いや、殴り合いの喧嘩など、中学生以来経験がないから、もはやよくわからないのだが、時にダラダラと無様であり、時にあっという間に勝敗が決する感じが、何ともリアルに思えるのである。 まるで自分も戦いの場にいるような臨場感も素晴らしく、心地いい緊張感を与えてくれる。

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『ディストラクション・ベイビーズ』は優れた寓話だーー柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎の演技が伝えるもの|Real Sound|リアルサウンド 映画部

デストラクション ベイビーズ あらすじ

あらすじは明瞭である。 喧嘩に負けてしまった芦原泰良(柳楽優弥)は復讐を誓い、まるでロールプレイングゲームで経験値を積むかのように、街でストリートファイトに明け暮れる。 いきがってはいるがヘタレな高校生の北原裕也(菅田将暉)は、泰良とつるむことで退屈な自分自身から飛躍できるのではないかと思い、行動を共にする。 といっても一緒に戦うわけではなく、スマホで泰良のファイトを撮影し、自分より圧倒的に弱そうな対象(例えば女性など)に暴力をふるうのみなのだが。 彼らの行動が事件化していくなか、ふたりはキャバ嬢の送りの車を強奪、車中にいた那奈(小松菜奈)を拉致し、逃避行が始まる…というものだ。 地方都市の無軌道な若者たちによるダークな青春ロードムービーといってしまえばそれまでなのだが、本作からは決してそんな単純な印象を受けない。 まずは、何といっても、芦原泰良のカリスマ性だろう。 無口で何を考えているのかわからない、ゆえに深淵な人物にも単なる狂人にも見える存在感。 「地獄の黙示録」のカーツ大佐(マーロン・ブランド)とでも言おうか。 彼の行動には、何らかの哲学すら感じさせられてしまう。 社会のルールなどまったく無視した振る舞いは、ヒーロー然とすらしているのだ。 その泰良という圧倒的な存在によって、北原裕也や那奈といった凡庸で姑息な普通の人々(言い換えれば、私たち)の「弱さ」や「醜さ」が浮き彫りにされるのである。 北原裕也は、自分に自信がないゆえに、泰良に引き寄せられ、巻き込まれていく。 自分だって何者かでありたいという彼の切実な欲求は、誰しも共感しうるところだろう。 そして、裕也が、結局、転落していくのは、その「弱さ」ゆえである。 他人に仮託してみても、何者かにはなれないからだ。 那奈の「醜さ」は、泰良たちに巻き込まれることで、思いもかけない「強さ」となって発揮される。 意味もなく拉致され、圧倒的な暴力に晒された彼女が、彼らとどう対峙するのか、その具体的な在り様は劇場で確かめて欲しいのだが、普通の人々が生き延びていくということは、時に「醜さ」やそれゆえの「強さ」が必要なのだろう。 生きるか死ぬかというと大きな話になるが、仕事でも恋愛でも、当て嵌まることが言えるのではないかと思う。 また、ストリートファイトのシーンも特筆すべきものだ。 とにかくリアルなのである。 いや、殴り合いの喧嘩など、中学生以来経験がないから、もはやよくわからないのだが、時にダラダラと無様であり、時にあっという間に勝敗が決する感じが、何ともリアルに思えるのである。 まるで自分も戦いの場にいるような臨場感も素晴らしく、心地いい緊張感を与えてくれる。

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『ディストラクション・ベイビーズ』は優れた寓話だーー柳楽優弥、菅田将暉、小松菜奈、村上虹郎の演技が伝えるもの|Real Sound|リアルサウンド 映画部

デストラクション ベイビーズ あらすじ

テアトル新宿館で2016年の5月21日に封切られた後に、ミニシアターを中心にして全国ロードショーされています。 4人の男女の悲哀と滑稽さが複雑に絡み合っていく「ラッシュライフ」や、万年3回戦ボーイのボクシング選手が現実と虚構をさ迷う「イエローキッド」など。 群像劇からミステリーまでの幅広いジャンルでの創作活動を続けている、真利子哲也監督がメガホンを取っています。 脚本家の喜安浩平と真利子監督の共同執筆によって書き下ろされた、108分のオリジナルシナリオを映像化したものです。 第69回ロカルノ国際映画祭では最優新進監督賞に輝いた他、第38回ヨコハマ映画祭でも新人監督賞を贈られました。 本能の赴くままに喧嘩に明け暮れていた少年と、彼に魅せられた男子高校生が暴走を繰り広げていくアクションドラマです。 「ディストラクション・ベイビーズ」あらすじ 瀬戸内海に面した造船業が盛んな田舎町で、幼くして両親との死別を経験した芦原兄弟はふたりだけ生きてきました。 温厚で物静かだったはずの兄・泰良がいつから好戦的な性格へと豹変したのか、弟の将太には定かではありません。 気がつくと地元の不良グループたちと幾度となくいざこざ繰り返し、兄弟が棲みかにしているプレハブにも寄り付かなくなります。 ある日のこと市街地のど真ん中で泰良が派手な一戦をやらかしている時に、偶々に通りかかったのは高校生・北原裕也です。 裕也によってスマートフォンで撮影された泰良の戦闘シーンは、動画サイトにアップされた途端に直ぐに話題になります。 盗難車で四国一周へと繰り出していく泰良と裕也の行方を、暴行・窃盗の容疑で警察が捜査に乗り出していくのでした。 みどころ アウトサイダーを熱演 野獣のような獰猛さと少年そのままの純真さを合わせ持った、主人公・芦原泰良役を柳楽優弥が熱演していきます。 自身に史上最年少でカンヌ国際映画祭男優賞をもたらした、「誰も知らない」ではネグレクトから幼いきょうだいを守る兄。 杉浦日向子の歴史コミックを実写化した小林達夫監督作「合葬」では、時代のに逆らって最後の戦いへと挑んでいく維新志士。 世の中の流れからつま弾きにされていくアウトサイダーを演じさせたら、この俳優さんの右に出る者はいません。 第90回のキネマ旬報ベスト・テンでは主演男優賞を獲得していて、俳優としては2004年以来実に12年ぶりとなる栄誉です。 泰良が生み出すエネルギーに引き寄せられるかのように行動を共にしていく、北原裕也役に菅田将暉が抜擢されています。 ふたりの暴走に一方的に巻き込まれていきながらも、後半ではどんでん返しと悪女ぶりを披露している那奈役の小松菜奈にも注目して下さい。 危険過ぎるゲーム 「ノックアウト・ゲーム」と呼ばれて若者たちの間で密かに流行している、ルール無用の殴り合いが迫力満点です。 発祥の地はアメリカのニューヨーク市内ともミズーリ州とも言われていて、2013年頃から社会問題にもなっています。 海の向こうでは死傷者が出ているために、捜査当局によって取り締まりの対象になるというのはビックリですね。 あくまでも相手を気絶させるだけの軽はずみな遊びで、殺傷や金銭の略奪を始めとする犯罪行為が目的ではありません。 劇中の泰良はたまたま目に止まった強そうな通行人に対して、何の前触れも無しに先制パンチを仕掛けていきます。 多くを語ることのない現代における異色のアンチヒーロー像を、握りしめた拳と鍛え上げた肉体だけで体現していました。 倒されても倒されても不死身の戦士のように立ち上がる、溢れるほどの強靭な生命力には圧倒されることでしょう。 気の向くままの3人旅 物語のスタート地点に設定されているのは、戦国時代に河野水軍でその名を轟かせた愛媛県松山市の三津浜です。 芦原泰良と将太が鬱屈とした日々を送っている、世間から取り残されたかのようなプレハブ小屋の佇まいには哀愁があります。 かつては港町として栄えていた賑わいにも陰りが差し、対岸には古ぼけた船台や旧型のクレーン車が聳えたっていました。 大街道商店街の一角に店を構えているゲームセンターは、裕也のような暇を持て余している少年少女たちの溜まり場になっています。 地方都市ならではの閉塞感から抜け出してまだ見ぬ世界へと旅立っていくためには、自動車を手に入れるしかありません。 仕事が終わって送迎役のボーイが運転するベンツの後部座席に乗り込んだ、キャバクラ勤めの那奈が何とも不運です。 最近になって運転免許を取得したばかりの裕也と、ペーパードライバーの那奈によるハラハラのドライブ旅行をお楽しみ下さい。 「ディストラクション・ベイビーズ」感想 向こう岸へと消えていく兄ちゃんの後ろ姿 コンクリートで固められた波止場の一本道を、学生服を羽織ってブラブラする芦原将太の姿がオープニングショットです。 海を挟んだ向こう側には青いライダースジャケットを身に付けた兄の泰良が佇んでいますが、近くて遠い微妙な距離感がありました。 直後に大勢の敵に取り囲まれた泰良が、一瞬たりとも怯むことなく立ち向かっていく孤軍奮闘ぶりが勇ましかったです。 時おり甲高く鳴り響く蒸気船の汽笛が、離れ離れになっていく兄と弟の運命を暗示しているようで胸を締め付けられます。 惹かれ合うふたつの孤独な魂 この界隈でもブイブイ言わせている強豪校の番長から、夜の盛り場を肩で風を切って歩く反社会的勢力の構成員まで。 対戦相手を選ぶことなく次から次へと真っ向勝負を挑んでいき、如何なる組織がバックに付いていようと恐れることはありません。 ただひとりまともに口を聞いてくれる将太と別れてから、これまで以上に狂気を宿した瞳には危機迫るものがありました。 放課後に仲間たちと大騒ぎをしていても何処か虚しさを抱いていた、高校生・北原裕也との公園での出会いが鮮烈です。 人生にツケはきかない ごみ捨て場で残飯を漁って餓えを凌ぎつつ、スーパーの日配コーナーでパンを貪り牛乳で流し込む泰良は野生そのものでした。 小綺麗なファッションに身を包んで働いているキャバクラからもたっぷりと給料を貰っているのに、同じ店でお菓子を万引きをしている那奈とのコントラストがくっきりです。 極力自分のお金を使うことなく他人の善意を徹底的に食い物にして生きてきた那奈が、否応なしにそのツケを払わされるのは致し方ありません。 全編寡黙を貫き通してきた泰良がただ1度だけはっきりと口にする、「楽しければエエやん。 お前もそうやろう。 」というセリフによって破滅的な終着点へと導かれていきます。 まとめ.

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