花 男 二 次 小説。 Last Promise 【花より男子 二次小説】 (7ページ)

【シンイ二次】金銀花14(終) : 筆記

花 男 二 次 小説

つくしは一人悩んでいた。 どうして、こんな事になってしまったのか。。。 稜には、別れるように言ったが、納得するハズが無い、、、 自分でも、どうしていいのか、わからなかった。 そして、考えた末に、花沢類に連絡をしていた。 「花沢類?あの、、牧野です。 忙しいのにごめんなさい。。。 ちょっと相談したいことがあるんだけど、時間もらえますか??」 「牧野?相談?、、、あぁ、わかったよ。 キョロキョロしながら、カフェを探していると後ろから、呼ぶ声がした。 「牧野!」 振り返ると、花沢類が手を振っていた。 つくしは、急いで類に駆け寄った。 その様子を、離れたところから、偶然司が見ていた。 ミーティングで、ホテルを訪れていた。 「類?」 こんなところで、女と会ってるのなんて、珍しいな。 ちょっと、冷やかしてやるか笑 司は、類達のあとから、カフェに入り、離れた席から様子を見ていた。 「話って?」 類が、切り出した。 「うん。。。 稜の事なんだけど。 」 「稜君がどうかした??仕事で何かあったとか?」 「ううん、仕事の事じゃないの。。 」 「じゃあ、、、何?」 つくしの様子に、何か感づいたようだったが続けた。 「花沢類は、道明寺のお嬢さんのこと知ってる?」 「梓ちゃんの事?ああ、もちろん。 司の娘だし、小さい頃から知ってるけど?」 「それが、どうかした??」 「、、、うん。 どういう経緯かは、わからないんだけど、その梓さんと、稜がお付き合いしてるみたいなの。 」 「、、、そう」 「ごめんなさいっ!こんな事、相談できる人いなくて。。。 両方の事を知ってるのって、花沢類だけだと思って。。。 」 「いや、いいよ。。。 」 「私、どうしたら。。。 稜には、お付き合いを辞めなさいと言ったけど。。 ねぇ、花沢類。 私、どうしたらいいの??」 つくしは、その場で涙を流し始めた。 類は、とりあえず一旦落ち着こうよ、と つくしの背中をさすりながら、店を出て行った。 2人の様子を見ていた司。 驚きを隠せず、立ち上がれないでいた。 類が会ってた女って、、、、 牧野か? どうして?? 会話は聞こえて来なかったが、親密そうに話をしていた。。。 類が背中に手を回していた様だった。。。 まさか、付き合っているのか?? そういえば、少し前に再会したと言っていた。。 昔、オレがNYに行って牧野が迎えに来た頃、類もアイツの事が好きだった、と言われた。 昔の気持ちを告白された牧野が、類を受け入れたのか?? 司の心は、かき乱されていた。 ponypo1980 「稜、ちょっといい??」 「ん、何??」 「あなたに、話しがあるの。 」 深妙な顔つきのつくしを不思議に思いながら、稜は座った。 「母さん、今日来た道明寺さんとのお付き合いは賛成できないの、、、」 「えっ??何で?だって、あんなに会うの楽しみにしてたし、実際、楽しかったでしょ?? 彼女、何かした??」 「彼女は、とても素敵な人だと思うわ、、、。 けどね、私達とは、住む世界が違うの。 わかるでしょ??何もかもが違うのよ。 」 「そんなの、最初からわかってるよ。 」 「わかってない。 友達だったら、何も言わない。 でも、お付き合いするのは、あなた達が辛いだけ。。 」 「母さん。 どうしたの??こんな事言われるの初めてだよ、、、。 何で??」 稜の質問に、黙ったまま俯くつくしだった。 まさか、道明寺の娘と、稜が付き合っているだなんて、夢にも思っていなかった。 道明寺とは、10数年前、ばったり会ったっきり。 自分はおろか、子供同士に接点なんてないはずなのに。。。 どうして、こんな事になっているのか、、、。 ponypo1980 ピンポーン 佐伯家のインターホンが鳴った。 「はーい」 つくしが返事をしてドアを開けると、稜と女の子が立っていた。 「稜、おかえり。 あら、こちらが例のお嬢さん??」 「うん。 あっ、これがオレの母さん。 」 「はじめまして。 今日は、お招きありがとうございます。 」 梓は、お辞儀して、挨拶をした。 「さぁ、入って入って!待ってたのよ〜」 ダイニングに入ると、テーブルの上にいろいろな料理が並んでいた。 「母さん、今日はりきったね!」 「そうよ〜、沢山作ったから、沢山食べてちょうだいね。 」 つくしに促され、席に着いた。 「はじめて食べるものばかりかもしれないけど、召し上がれ。 」 3人の誕生日会が始まった。 一通り、食事が終わり、デザートのケーキを食べていた時だった。 「あっ、そういえば。 お嬢さんのお名前聞いてなかったわね、うっかりしてた笑」 「あっ、オレも言いそびれてた笑」 「じゃあ、自己紹介してくれるかしら?」 つくしは、梓に笑いかけた。 「はい。 私は、道明寺梓と申します。 」 つくしは、その言葉に凍りついた。 「えっ??ど、道明寺??」 「はい。 珍しい名前ですよね?」 「母さん知ってる?道明寺グループって? 彼女のお父さんが社長なんだよ。 」 つくしは、返す言葉がなかった。 そして、そのまま、梓が帰るまで、黙ったままだった。 ponypo1980 梓の誕生日パーティ当日。 場違いな雰囲気に、稜は戸惑っていた。 「こっち、こっち!」 梓が、遠くから手を振る。 梓の周りには、西門麗香、美作姉妹も揃っていた。 ドレスアップしている姿に、稜は少し怖気づいていた。 「今日は、招待してくれてありがとう。 あの、、、今日は、いつもと感じが違うっていうか。。。 ドレス素敵だね。 」 照れながら、褒める稜。 それを、横で見ていた麗香達が近づいてきた。 「梓の付き合ってる人って、あなたの事ですか??」 「えっ〜、ちょっと今までとだいぶタイプが違くない??」 「意外なんだけど〜」 勝手に話始める3人に、今、紹介するから黙って、と、なだめる梓。 「こちらは、佐伯稜さん。 」 よろしく、と3人に頭を下げる稜。 その時、後ろの方がザワつき始めた。 そしてF4が、パーティーに現れた。 「ねぇ、F4よっ!!まさか、こんなところでお目にかかれるなんてっ!」 「大人になっても、やっぱり素敵だわぁ」 パーティーに出席していた女性達が、騒ぎ始めた。 「F4って??何?」 「F4っていうのは、梓のの、と、私の父の西門総二郎、こちらの美作姉妹のの、美作あきら、そして花沢物産社長の花沢類、この4人の学生時代の呼び名なの。 」 麗香が、稜に教えた。 「へぇ〜。 何か、やっぱり君達って凄いんだね、、、。 」 想像以上の世界に、驚きが止まらない稜。 「あれ?佐伯君??」 花沢類が、稜に気付いた。 「あっ、花沢社長。 」 類に気付き、軽く会釈をした。 「何?彼、類の知り合い??」 あきらが類に尋ねた。 「うん。 うちの社員で、佐伯稜君。 」 「へぇ。 で、何で君がここにいるの??」 あきらが突っ込んだ。 あの、梓さんに招待されまして。。。 」 「へぇ、じゃあ梓の彼氏ってこと??」 「あきら、まぁ、そのへんにしとけよ。 ビビってるだろ?」 総二郎が悪いね、と間に入り、あきらを連れ出した。 「佐伯君、梓ちゃんと付き合ってるんだって?」 「しゃ社長、なんでそれを??」 「あぁ。 さっき、あきらんちの双子達が噂してたからさ。 君のこと。 」 「は、はぁ。 そうでしたか。。。 」 「オレは、応援してるからさ。 」 そう言って、類は稜の肩をポンと叩き、その場から離れて言った。 「おい、総二郎。 梓のやつ、付き合ってるヤツがいるってホントか??」 「らしいな。 今日、来るみたいだぜ。 」 「どんなヤツだった??」 「おまえ、だろ?自分で確かめろよ。 」 総二郎に、背中を押されたその時、前を通りすぎそうとした人物にぶつかった。 「あっ、すみません。 」 「いってぇな〜、総二郎押すなよ。 あぁ、君。 悪かったな。 」 「いえ。 」 司は、ぶつかった相手の顔をじっーと見て、立ち止まっていた。 「あ、あの?ホントすみませんでした。 」 「ああ。 いや、いいんだ。 オレが悪かった、、、。 そんな事より、君とどこかで会ったことあったかな??」 「えっ?えーと、どこかでお会いしたような気もしますが、、、すみません、覚えてないです。 」 司は、どこかで会った、というよりも、過去の記憶が呼び戻されるような気がしていた。 「君、名前は?」 「はい、佐伯稜です。 」 「佐伯?」 聞いたことがない名前だった。 でも、目元や、顔の雰囲気は、どことなく見覚えがあった。 ponypo1980 「ねっ。 今度、私の誕生日会があるんだけど、来てくれる??」 「えっ、誕生日?いつ?」 「12月28日」 「12月28日??」 「そうだけど、、、??都合悪かった?」 「いや、、、実はうちの母親も同じ誕生日なんだ。 」 「えっ!?そうなの〜??スゴい、偶然じゃない?」 「うん、ビックリした。 」 「じゃあ、28日は無理かな、、、」 「いや、行くよ!母さんは、プレゼントだけ渡せば喜んでくれるだろうから。 」 「じゃあ、楽しみにしてる。 」 梓は嬉しそうに帰って行った。 「ただいま。 」 「おかえりなさい。 」 「ねぇ、母さんの誕生日って12月28日だったよね??」 「そうよ〜。 何?プレゼントのリクエストでも聞きにきたの?笑」 「違うよ、そんなんじゃなくて。 今、付き合ってる彼女も、同じ誕生日だったんだよ。 」 「え?そうなの?偶然ね。 何かプレゼント考えてるの?」 「う〜ん、それなんだよね。。。 何がいいかなって思ってさ。 彼女、欲しい物は何でも手に入っちゃうみたいだし。。 プレゼントとか貰い慣れてるだろうから。。 」 「お嬢様みたいじゃない笑そうね〜 だったら、いつもご馳走は食べ慣れてるだろうから、うちの食事でよければ、一緒にお祝いなんてどうかしら??」 「えっ?うちで??」 「そう。 お嬢様みたいな生活してたら、きっと庶民のご馳走とか知らないんじゃない?笑」 「そうか。。。 聞いてみるよ。 母さんと一緒の誕生日なんて、彼女も驚いてたし。 」 「母さんも、会ってみたかったし、オッケーしてくれたら嬉しいわ。 」 梓の誕生日の次の日に、稜の家に招待することにした。 ponypo1980 司は、黙って玲人の話を聞いていた。 「それで?彼女とは?」 「それっきり、、、音信不通です。 」 「それでいいの?」 「、、、、」 「彼女の事、本当に愛してたのか?? このまま、中途半端に気持ちを引きずったまま、先になんて進めないんだぞ。 君も、彼女も。。。 ちゃんと自分の気持ちにケジメをつけるべきだ、、、。 オレが言えた立場じゃないが。。。 」 「あの、、、道明寺さん、 やっぱり梓さんとの結婚は、僕から破棄させて頂けませんか?勝手なお願いだとは、承知の上ですが。。。 」 玲人は、頭を下げた。 司は、無言で頷いた。 「で、どうするつもり??」 「はい、とにかくフランスに行って、彼女を探して、何もかも謝ってきます。 許されるとは、思ってませんが、、、。 」 「、、、後悔するなよ。 あとの事は、こっちに任せればいいから。 」 「はい。。。 あの、話聞いて頂いてありがとうございました。 」 最後に一礼すると、玲人は店から出て行った。 「司です。 神崎玲人と、梓との結婚の話ですが、双方が、破棄したいとの事で一致しました。 そういう事なので、この件は、ここまでにして下さい。 」 司は、用件をだけ伝えると、あっさりと電話をきった。 ponypo1980 司は、ホテルのバーに玲人を呼び出していた。 「神崎君、今回の件、本当に申し訳ない。 」 頭を下げた司に、玲人もビックリしていた。 「いやっ、その、やめて下さい。 道明寺さん。 」 「今回の事は、梓のワガママでしかないんだ。 だから、君には本当に申し訳ない。 」 「いえ、、、実は、僕も本当の事を言うと、この結婚には迷っていました。。。 もちろん、彼女の事は好きでした。。 でも、なんか、自分の中で、結婚まで吹っ切れないというか。。。 」 「君も、いろいろあったみたいだね。。 」 「はい、、、。 あの、今からいう話は、 ここだけの話にしてもらえますか?? 誰にも言うまいと思っていた話なので。。 」 「ああ、わかったよ。 」 そして、玲人は話し始めた。 大学2年の頃、初めて心から愛する女性に出会ったこと。 3歳上の彼女とは、食事していたレストランで出会った。 彼女は、そこでソムリエを目指して勉強していた。 彼女は、玲人のスタッフに対する横柄な態度が許せず、彼をその場で叱った。 慌てた上のスタッフが出てきて、玲人に謝罪したが、彼女は頭を下げなかった。 玲人は、今まで誰かに、真剣に怒られたことが無かった、自分のしている事は全て許される、親の力、金の力で何とかできると思って生きてきた。 彼女の存在が気になってしょうがなかった。 あの瞬間から、彼女に惹かれている事に気付いた。 数日後、店に行ってみると、彼女は辞めていた、あの一件後、半ば辞めさせられていたのだ。 必死に、彼女の居場所を探した。 数週間後、ようやく都内のレストランで働く彼女を見つけた。 彼女は、玲人を見るなり、何しに来たの?と冷たい言葉を掛けた。 それから、玲人は、週1回彼女の働くレストランに、通うようになった。 最初は、相手にもされなかった。 しかし、ソムリエを目指す彼女との話を合わせるために、玲人も必死に、ワインの勉強をして、会話のきっかけをつくっていた。 そんな、玲人の姿に、彼女も惹かれていき、2人の距離が縮まっていった。 毎日、彼女の仕事が終わった後、彼女の部屋で一緒に料理を作り、ワインを選んで呑む、それがささやかな幸せだった。 そして、お互いに愛し合うようになっていった。 彼女の部屋で暮らし始めて数ヶ月後の事だった。 彼女が、妊娠していることがわかった。 その状況に、嬉しさよりも、自分の今の立場や親になるという事が理解出来ず、気付くと、部屋から飛び出してしまっていた。 まだ、大学生である自分。 親に言うべきだろうか、いや、いっそ家を出てしまおうか。。 駆け落ちでもいいじゃないか。 でも、どうやって暮らしていく? 何をして働く? 親子3人で生活できるほど、稼ぐ事が、自分はできるんだろうか?? 神崎家に生まれ、何不自由なく育った環境以外で生きていくことが、恐怖に感じていた。 その間にも、彼女から連絡はあったものの、自分の答えを見つけ出せないままだった。 しばらくたったある日、玲人は彼女の部屋を訪れた。 そこには、彼女の姿はなく、部屋も空き部屋になっていた。 彼女の働いていた店を訪ねたが、そこにも彼女の姿はなかった。 数日前に、退職していた。 同僚が、玲人に、手紙を渡してきた。 彼女からの手紙だった。 そこには、 「さようなら」とだけ書かれていた。 仲の良かった同僚の話では、 玲人に会うために、神崎家を訪ねてきていた事、そこで、玲人との事を話すも許してもらえず、代わりに、フランスでのソムリエ留学と手術費用を条件に、別れるように告げられたという。 彼女は、玲人に相談しようとしたが、一向に連絡がつかないことに気持ちも絶望し、 子供を産むことを諦め、フランスに旅立って行った、と聞かされた。 ponypo1980.

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花より男子二次小説

花 男 二 次 小説

「前を向いて」 ウンスは明らかに強張った顔を前に向けたまま、ごくごく小さな声で言った。 もちろん、横に座っているチェ・ヨンに言っている。 チェ・ヨンは、はっと気づいて前を向くが、しばらくするとまた横にいる ウンスの方に顔が傾いて、じいっとその姿を凝視する。 「前を向いて」 もう四度めだ。 叔母であるチェ尚宮以外の面々は、微笑ましい光景として、 笑いを噛み殺しているが、ウンスは気が気でない。 チェ・ヨンが妖術にでもかかっているかのように、ウンスの姿に 引き寄せられてしまうのも仕方がない。 ウンスの花嫁衣装は王妃自らが差配をしたもので、白の絹地にごく細い赤糸を使って、 動物や植物が刺されている。 白は身分の低いものが使う色だから、と王妃は渋ったが、ウンスはそれだけは、 と譲らなかった。 王妃はウンスがそう言うならば、と言い分を飲んだが、 その代わり、と生地に白と薄桃でびっしりと地紋のように刺繍をさせ、さらにその上に 入れた赤の色刺繍も金の糸をふんだんに使わせた。 吹けば飛ぶような細い糸を幾重にも重ねて刺繍したそれは、 参道を上る折には、陽光を受けてきらめき、最後まで赤色の長衣(ファルオッ) を用意したいと言い張っていた王妃でさえ感嘆する出来栄えだった。 仕立てられた花嫁衣装はずっしりと重かったが、ウンスの足取りは軽かった。 ここは松獄山の陰にそびえる開京鎮守の山、五冠山の山麓、霊通寺の普光院。 王城、城下よりはやや遠いが、崔(チェ)家ゆかりの寺での婚儀が 執り行われている真っ最中だ。 大師の敬白(式の説明)の最中は、ウンスをひやひやさせたチェ・ヨンも、 向かい合わせに座り、心ゆくまでウンスの姿を眺められるようになると ようやく落ち着きを取り戻している。 目の前の盃に酒が注がれる。 一度目は捨てて、二度目はあける。 味などてんでわからない。 盃を手にとった時に、チェ・ヨンと目があって、口をつけて盃を持ち上げると 酒が口に流れこみ、顔を戻すとやはりチェ・ヨンと目があった。 チェ・ヨンがむず痒そうな顔で、ウンスを見た。 これで、わたしたちは、夫婦(めおと)になったのだ。 小さく微笑み返すと、チェ・ヨンは自分が浮かべていた表情に初めて気づいたようで、 慌てたように顔を横に向けた。 「あやつめ、有頂天、ですな」 チェ尚宮は、葡萄酒をごくりと飲みこむと、庭園に急ごしらえで作られた東屋の下で、 王と並んで酌み交わしているチェ・ヨンを、杯を揺らして指差した。 普段は冷静なこの人も、長く気にかけてきた甥の結婚には流石に心が動くらしく、 普段は飲まぬ葡萄酒を何杯かあけて、もの言いも心持ちあからさまになっている。 ウンスがチェ尚宮の差す方を見ると、王とチェ・ヨンが何やら顔を寄せて話している。 何か下世話な話でもしたのか、二人で肩を揺らして笑っていた。 「あら、いやあね、男二人。 何を話しているやら」 こちらも少し酔い気味のウンスがそんなふうに言うと、王妃はぎょっとしたように、 ウンスを見た。 高麗広しと言えども、王と大護軍を男二人などと言ってみせるのは、 このウンスだけだろう。 この風変わりな宴席もウンスが設けたものだった。 王を屋敷にお呼びすることの意味がわかっているのか、 もし呼ぶならせめて、本屋敷へと言うチェ・ヨンの言葉を退けて、 ウンスはこれから住まうこの屋敷で「ガーテンパーティー」がしたいのだと言い張った。 王と上臣を呼ぶのはわかるが、百歩譲って護軍ならともかく、于達赤隊の一兵卒を 同席させて饗応するなどありえない、とチェ・ヨンは説いたが、ウンスは粘り強く ならばならばと宴のプランを修正し続けて、最後にはチェ・ヨンが白旗を上げた。 「俺にはあなたの考えていることが、わかりません。 もう、お好きになさってください」 ウンスの粘り強さに恐れに近い表情を見せながら、チェ・ヨンはそう言った。 まかせなさい、悪いようにはしないから、と言い放った通り、 宴席のあり方は異例ではあったものの、チェ尚宮とドチの大いなる助けによって 大きな問題を避けて開かれることとなった。 ウンスの言う「ガーデンパーティー」は典雅な宴であると、来客たちには概ね 好評を博しているようだった。 部屋の中に設けられた宴席からは、縁伝いに庭まで降りられるよう、毛氈が敷かれている。 庭の一角には大きな四角の緋毛氈があり、その上に並べられた卓には祝宴の支度が 整えられている。 駐屯の地より平壌に呼び寄せられ、そのまま本来の任務である王の護衛に戻って、 開京までを共にした于達赤隊の面々は、はじめこそ王や王妃、並びいる宰相 といった顔ぶれの客たちに、小さくなっておとなしくしていたが、 王と王妃は東屋に別に席を設け、上臣たちは部屋の中で過ごすということがわかると、 いっせいに庭に降りて、普段は口に入らぬ上等の酒やら料理に群がって、 そのあとは打ち鳴らされる銅鑼やら太鼓やら鼓に合わせて、 歌うもの、踊るもの、笑うもの、とはしゃいだ様子を見せていた。 「テホグンの嫁取りを、この目で見られるとは…」 めっぽう酒に弱いチュンソクは、同じ言葉を繰り返しては、同じように感激している。 テマンはチェ尚宮にいいように使われていて、あれを取ってきなさい、 これも足りないと言われるたびに、嬉々として走り回っている。 トクマンとチュモは、予想外に見事な舞を見せて喝采を受けた。 古巣の鷹揚軍の護軍アン・ジェの元で、控えめに何かの話をしているオ・ソクチェの 姿も見えた。 二人にゆかりのあるものは、皆すべて、この庭に集ったのだ。 王がふと顔を上げると、王妃がウンスの髪飾りと乱れかけた髪を直してやっている。 明るい日の光の下で、笑いながら。 王は、その姿を惚れ惚れと眺めた。 * 「これはすいかずら、解熱鎮痛に効果があり、厳しい冬の間も葉を落とさぬことから、忍冬、またふたいろの花を咲かすことから、金銀花、双宝花とも呼ばれています。 こちらは連翹…」 低い声で流れるように説明をしていたチャン侍医の言葉が途切れた。 横で聞いていた王が、つと顔を上げる。 「どうした。 続けよ」 は、と頭を下げながら、チャン侍医は言葉につまる。 王がその様子を見て、訝しげに首をかしげた。 「言いたいことがあるなら、言うがよい」 うながされてチャン侍医は頭を上げる。 恐れながら申し上げます、とためらいながら言った。 「薬草院のことなど、これほど詳しくお聞かせしてもせんのないこと。 城にご到着されて日も浅く、政務が山積みではございませんでしょうか。 チョナのお時間を無駄に使っているのではと…」 王は、そんなことか、とため息をつく。 それから自分の手のひらを胸の前で、揃えて見せた。 「チャン侍医よ、いまこの城の中で余の見方と呼べる人員はまことに少ない。 この両の指で数えられるほどだ。 しかしながら、余はこの少ない臣を信じて進むよりない」 そちもその一人である、と王はチャン侍医を見る。 ありがたきこと、とチャン侍医は王の率直な物言いに、戸惑ったように言った。 「この貴重な家臣を余は事細かに知り尽くし、手駒として使わねばならぬ」 城の隅々についても、知らねばならぬ、ひとつもおろそかにできぬ、と王は言った。 だから、無駄と思わずに何事もつぶさに説明せよ、と。 チャン侍医は、御意、と答え、また薬草院を歩き出した。 * 「双宝花、と言うそうじゃ」 王が横のチェ・ヨンに、つぶやくように言った。 その視線の先には、竹垣のそばで何を話しているのか、手で口を押さえて くつくつと笑っている王妃とウンスの姿があった。 「チョナ?」 チェ・ヨンは王の言葉が飲み込めず、問い返す。 王妃とユ・ウンスの側に咲いている、あの花の名である、と王が言うと、 チェ・ヨンもそちらに目をやって合点する。 「双宝花、ですか」 そうだ、と王が言ってチェ・ヨンを見ると、チェ・ヨンもまた王を見て、 それから口元に笑みを浮かべた。 どっと笑い声がして、二人が同じ方を向くと、酔った于達赤隊の面々が 可笑しなことをしでかしたらしく、ウンスがそれを指差して、王妃も チェ尚宮も珍しく口を大きく開けて笑っている。 それを見て、チェ・ヨンが声を上げて笑った。 王は静かにチェ・ヨンを見ている。 それから、深く息を吸い、言う。 「善き日である!」 王がそう言うと、チェ・ヨンは笑いをおさめ、顔を向けた。 そして膝を打ち、まことに、としみじみと言うと、盃をあけた。 (終わり).

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【シンイ二次】金銀花14(終) : 筆記

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花より男子二次小説 4 つくしと何年振りかに会った。 俺の店に偶然、やってきた。 この店を持てるようになったのは、つくしのおかげだと思ってる。 前に進むことの勇気を、この女は教えてくれた。 あの頃の俺は全てがどうでも良かった。 だから金に眩んで、あのふたりを引き離すようなマネをしていた。 今となっては後悔はしてる。 だが、会ったことは後悔はしていない。 「もっと違うカタチであの頃に会いたかったな…」 ポツリと呟く。 それを聞いていた従業員が不信な顔をする。 「なんでもねーよ。 ほら、仕事しろ。 客が読んでるぞ」 俺は従業員を客の元へやった。 カウンターではつくしが会社の先輩という女と一緒に飲んでる。 つくしのような気の強そうな女だった。 さっき、微かに聞こえた話ではこの女も大変な恋をしているらしい。 つくしと同じように。 カラン…。 店の扉が開き、また懐かしい顔を見ることになる。 昔、つくしの周りにいた、お坊ちゃんたち。 つくしはその存在に気付いてない。 俺は彼らにニッコリと笑った。 「いらっしゃいませ。 今宵は当店をお選びくださってありがとうございます」 そして俺は彼らを見た。 「「司!!」」 ふたりは大声を出す。 その声につくしは振り返る。 そして、目を大きく開いた。 「美作さん!!西門さん!!」 つくしは彼らの元に歩いていった。 「牧野。 コイツ…」 と、俺を指すお坊ちゃん。 「亜門よ。 覚えてるでしょ。 あたしもびっくりしたんだけどね」 「亜門?あの時の?」 「うん」 ふたりのお坊ちゃんは俺を睨む。 そりゃそうだよな。 あの時、つくしと道明寺を離そうとした張本人だもんな。 「ま、いいから。 座れよ。 そこにいたら。 他の客の邪魔だ」 俺はカウンターの中に戻り、カクテルを作り出す。 この店は殆ど、俺のオリジナルだ。 名前を考えるのが、大変だった。 でもその苦労も俺は気に入ってる。 「お前の店?」 「ここが?」 「そうだよ。 つくしのおかげで持てた店だ」 そう言うと、ふたりはつくしを見る。 「あたし、何もしてないよ!」 慌てて否定する。 「安心しろ。 俺はもうあの頃のようなガキじゃないんだ。 人の女、盗るようなマネはしないよ」 俺はふたりにカクテルを出す。 そのカクテルを飲むふたりを俺は見ていた。 「お」 「美味いじゃん」 このふたりならこの味は分かると思った。 俺が苦労して作り上げたカクテル。 名前はまだない。 まだ店に出してないのか」 「名前、ないからな」 「あきら。 もしかしてあきらより作るの美味いかもよ」 「だな。 俺は最近作ってないから」 美作は総合商社の常務になっていた。 親の会社を継ぐのってどんな気分だろう。 俺には理解出来ない。 決められたレールの乗っかって生きるのなんてごめんだ。 「しかし…。 久しぶりに総二朗と飲もうとして新しい店出来てるって来てみれば、 そこは亜門の店だし。 しかも牧野はいるし」 「びっくりだな」 「あたしだってびっくりだよ。 美作さん、日本にいたんだね」 「ああ。 先月、戻ってきた」 そうやつらが話をしている間、つくしの先輩という折居は黙って話を聞いてる。 あまり突っ込まないところが大人だ。 そして話が一旦切れた頃、折居は口を開いた。 「牧野。 今日はあんたにとって懐かしい人たちとの再会の日みたいね」 「あ…」 つくしは完璧に存在を忘れていたみたいだ。 この女はこういうところ、変わらねーな。 「誰?」 「会社の先輩。 あ!先輩、このふたりには気をつけてくださいね」 と折居に注意している。 このふたりの噂は俺も知ってる。 昔、クラブとかでよく女はべらかしていた。 特に西門は何人もの女と付き合っていた遊び人。 「牧野っ!テメーな、俺達を鬼畜呼ばわりしてんじゃねーよ」 と、つくしのとなりに座っていた西門はつくしの額にデコピンする。 「痛っ!」 その様子を見て、笑ってる折居。 なんだろ。 この様子を見て、何だか嬉しくなるのは。 つくしが幸せだって分かるのが嬉しい。 いい仲間に守られているんだな。

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