簿記一級 よく分かる。 簿記って面白いですよね。三級合格後に今二級を勉強しています。もし、一級...

ビジネスマンはとにかく「簿記」を勉強せよ

簿記一級 よく分かる

税理士試験の簿記論と簿記1級の関係 簿記1級合格者や税理士試験の簿記論に合格した方でも分かっていないことがあります。 それは、それぞれの試験の性質の違いです。 まず勘違いしてしまうのは、簿記論は「論」の漢字が使われているので、論述試験もあると思ってしまうことです。 論述試験があるのは後述する「財務諸表論」や「税法科目」です。 税理士試験の簿記論では、なにか課題を与えて、それについて述べよという出題はありません。 そして、簿記1級は簿記2級に引き続いて、かなり高度なレベルの工業簿記と原価計算が出題されます。 対して簿記論では工業簿記の知識は日商2級で足りるレベルの出題のため、 簿記2級から税理士試験に挑戦する方も少なくありません(いわゆる商的工業簿記といわれるものですが、今は言葉だけ知っておけば十分です)。 他にも、簿記1級は日本商工会議所が行う「民間試験」であり、税理士簿記論は国の機関が行う「国家試験」という違いもあります。 税理士試験を受けることができる人 税理士試験には受験資格というものがあります。 これを満たしていないとどんなに優秀な頭をもっていても、門前払いにあってしまいます。 税理士の受験資格としては• 学歴によるもの• 実務経験によるもの• 資格によるもの があり、この3つの要件のうち、どれかを満たす必要があります。 なお、日商簿記1級はこのうち「資格によるもの」に該当します。 学歴や実務経験がなくても、 日商簿記1級を持っていることで受験資格の制限が免除され、税理士試験の受験を出来ることになります。 簿記1級から簿記論にステップアップする人は非常に多い 簿記論は税理士科目の中では「簡単な部類」と言わることもありますが、全然そんなことはありません。 これもご存知でない方が多いので補足しておきますが、税理士試験の受験ができる方というのは大学などで一定の単位を取った方、会計事務の経験が2年以上ある方、そして日商簿記1級の合格者などです。 つまり、母集団のレベルがもともと高いのです。 しかし、簿記1級と簿記論とで共通して学ぶことは非常に多く、 簿記1級取得者であれば、簿記の解答の仕方を知っているというアドバンテージがあります。 難易度の高い簿記論ですが、簿記1級取得者であれば大きなストレスを感じることなく、合格できる可能性は高いといえるでしょう。 このアドバンテージがあり、かつ、簿記1級で受験資格を得ているため、 税理士試験の簿記論に挑戦する方は非常に多いです。 簿記論と簿記1級の共通の試験範囲 先に、「簿記1級と簿記論で共通して学ぶことは非常に多い」と説明しました。 それがどれくらいかといいますと、 簿記1級取得者であれば、簿記論の出題範囲は9割が被っているといわれるほどです。 簿記1級と簿記論の試験範囲がどれくらい被っているかを、以下のグラフに抜粋しました。 貸借対照表に収められる、資産・負債・純資産だけでも相当重複があります。 簿記1級と公認会計士の関係は? 公認会計士試験でも、会計科目の試験が用意されています。 簿記1級を取得したレベルの受験生であれば、全く分からないという論点の方が少ないです。 そのため、簿記1級から公認会計士を目指す方も少なからずいらっしゃいます。 一方で、公認会計士は試験の特性上、会計科目以外にも監査論や企業法(主に会社法など)の知識も問われるため、 複数科目を短期集中で学習しないと、良い結果が出にくい試験です。 そして、主な受験者層は専門学校生や大学生が多数であり、仕事をしながら学習を継続することはなかなか容易ではありません。 学生は授業や講義以外の時間はすべて学習に充てて準備してくる傍ら、社会人は仕事をしながら家族サービスをし、さらに自分の学習のために時間を取ることになります。 このように 社会人の方が公認会計士を目指すのは試験の特性上かなり難しいと言えるでしょう。 税理士試験は、試験の仕組みは後述しますが、1科目ずつ自分のペースで取得していけばよいため、 社会人には税理士試験の方が好まれている傾向があります。 簿記論と簿記1級はどっちが難しい? 日商簿記1級は、「工業簿記・原価計算」も試験範囲に入っています。 はっきり申し上げて工業簿記と原価計算は、ある一定の「ひらめき」が求められます。 簿記論はひらめきが求められる試験ではないのですが、問題を読み解く力や処理のスピードが桁違いに求められるため、比較をすると簿記論の方がやや難しいと言えるでしょう。 試験の出題傾向を把握 簿記論と簿記1級では、聞かれる範囲は90%被っているのですが、 簿記論の方が知識を深く聞いてきます。 また、 簿記論はすべて計算問題ですが、適切に問題の指示に従ったり、推理力も求められる問題もあります。 そして出題傾向と対策ですが、日商簿記1級は試験傾向が毎年似ており、過去問の学習が効果的であるといえます。 また、簿記論と異なる点は、試験の問題文が丁寧に書かれていることです。 そのため、本試験で「こんなはずじゃなかった」という受験生が出ることが少ないのです。 対して簿記論は、試験委員が3人選ばれて問題を作るのですが、そのうち1人が毎年入れ替えられて問題を作成しています。 問1と問2は学者が、3問目の総合問題は実務家が作成します。 特に問1と問2は、学者の先生の得意分野が出題されることが多く、学習の中には「試験委員対策」が必要になるのも簿記論の特徴です。 その結果試験の現場では、「こんな問題見たことないぞ」という受験生が続出するため、簿記論の方が学習に苦労します。 試験の合格率を比較 日商簿記1級の難易度 上記のグラフを見るとお分かりになると思いますが、簿記1級の合格率は10%、簿記論の合格率は15%前後です。 合格率の数字だけを比較すると、簿記1級の方が難しいように思われますが、実は以下の事情で日商簿記1級の合格率が低くなるのです まず知っておいてほしいことは、簿記論と日商簿記1級の合格の仕組みです。 日商簿記一級は100点満点のうち70点以上が合格ラインで、これを超えれば全員が合格する仕組みです。 しかし、70点以上の得点をしても不合格になる、「足切り」の制度があります。 配点は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算に各25点が割り振られ、そのうち1科目でも正答率が40%未満 10点未満 だと、その時点で不合格になるのです。 しかし試験は例年6月と11月の2回行われるため、「前回だめでも今回はリベンジしてやる」ということができますので、一概に日商簿記の合格者が少ないということはいえません。 簿記論の難易度 これに対して簿記論を含む税理士試験は、例年8月上旬に行われ、 実施は年に一回しかありません。 合格基準点についても、「試験の60%以上の得点で合格とする」という建前がありますが、60%を取っても合格できない場合があります。 それは、税理士試験は実際には競争試験となっており、得点の上位者から順番に合格していき、一定の点数 これは公開されません 以下になると、それから下の方は全員不合格となってしまうからです。 税理士試験は幅広い境遇の人が受けています、自分に置かれた状況の中でベストを尽くしてくるのですが、チャンスは年に一回巡ってくるものなのです。 それで駄目なら、また来年ということになる厳しい試験で、 難易度としては簿記論の方が高く、より受かりにくい試験であるといえます。 合格までの勉強時間は? これは各専門学校が同じような基準で発表しています。 税理士の会計科目(簿記論と財務諸表論)はそれぞれ500時間ずつ、簿記1級も同じくらいの勉強時間とされています。 ただし 学習の進み具合は個人差が非常に大きいため、世間一般でいわれている勉強時間で比較することは難しいでしょう。 ちなみに、税理士試験の簿記論以外の科目については「理論」といい、会計の原則規定や税法の条文を覚えるという学習があり、概ねA3規格の解答用紙2枚程度に条文の知識を書ききらないと合格はありません。 計算よりも理論が苦手だという方も多いので、税理士の受験を検討されている方は覚えておきましょう。 試験の受験者層を比較 簿記1級は、受験資格がなく、誰でもチャレンジできる試験です。 高校生での合格者もいます。 しかし、主に商業高校や簿記専門学校では力を入れている資格なので、独学で太刀打ちができないともいえませんが、主に学生や資格学校の社会人過程で学ぶ人の方が合格率は高いです。 こうした理由もあって、いきなり簿記1級からチャレンジする人は極めて少数派です。 一方で、税理士試験の簿記論について考えてみると、当然「日商簿記1級の合格者」が多く参加しています。 その他大学で経営学や会計学を学んだ方、会計事務所の職員で税理士を目指す方も受験します。 そしてこれらの受験資格を持った人の中で、上から15%程度が合格するという仕組みになっています。 簿記1級の受験者もほとんどは簿記2級などを経て、1級に合格したわけですから、簿記1級合格者のレベルが低いわけではありません。 要するに同じ土俵で戦うライバルのレベルが、簿記論の方が桁違いに高いというだけです。 人気講座ランキング (上位3社) 簿記論と簿記1級のメリットを比較 簿記1級を取得するメリット 簿記1級を取得するメリットは、公認会計士・税理士などの会計専門職を除けば、 簿記1級合格者は「会計のプロフェッショナル」と評価されることです。 この評価は新卒採用だけにとどまらず、転職でも、会社の部署異動の際にも、考慮してもらえたりするくらいです。 特に簿記1級の合格者は独自に「工業簿記」と「原価計算」の知識も担保されているわけですから、製造業の原価計算部門などからは転職の引き合いがあるなど、人生の選択肢が広がるわけです。 また、自分で独立して商売を始めると、当然ながら会計帳簿を付ける必要があります。 簿記1級の合格者なら、確定申告の申告書の作成以外は、すべて自分でできるはずです。 現代では大企業に就職するか、自営でスモールビジネスをすることが増えてきています。 また、大企業の社員でも「副業解禁」の流れの中で、 なにかビジネスを始めた際にも帳簿付けに時間をかけることはないでしょう。 簿記論に合格するメリット 簿記論に合格すれば、当然のことながら税理士試験合格への大きな足掛かりとなります。 そのまま勢いに乗って他の科目も取得する方もいるくらいで、働きながらでも5年前後で税理士試験に合格する方も多数います。 それ以外にも、簿記論1科目だけの科目合格でも、会計業界では入社の際に優遇され、資格手当が出ることもあり、 1科目合格の際でもメリットは日商簿記1級と比べてもかなり大きいといえます。 実際、8割近くの会計事務所や税理士法人では、1科目だけの合格者でも歓迎され、即戦力として期待されます。 そのため税理士資格を取得せず、簿記論の合格単体でもメリットはとても大きいです。 簿記1級から簿記論を学習する際の注意点 これまで述べたように、簿記1級から簿記論を目指す方は非常に多いので、ちょっとした注意事項を説明していきます。 財務諸表論も並行して勉強するのがおすすめ 税理士試験合格を検討されている方には、簿記論と並行して財務諸表論も勉強するのがおすすめです。 どちらも会計科目であり内容の親和性も高く、日商簿記合格直後であればモチベーションも高く、知識も十分に維持されています。 これは他の受験生に比べて圧倒的に有利といえます。 また、簿記論と簿記1級は学習範囲が被っていると前述しましたが、 実は財務諸表論という科目は、簿記論を使って計算した金額を、「どのように表現するか」を学ぶものです。 つまり、簿記論・財務諸表論の合計学習時間を減らす効果と、2科目同時合格の可能性もあるのです。 ちなみに簿記論と財務諸表論の両方を取得している方は、公認会計士試験の短答式の財務会計論が免除されます。 税理士を目指すと公認会計士への道も自然と近づくので覚えておきましょう。 その後の科目選択も重要 税理士試験は会計科目以外にも税法科目というものがあります。 ここからは体で何度も仕訳を書いて覚えたという様な学習方法では行き詰ってしまいます。 しっかりと条文を読めるようになって、税に関する法律の専門家という意識を持たなければなりません。 税法科目は全部で9科目あります。 そのうち、 法人税法と所得税法が選択必須科目となっています。 つまり税法3科目のうちに、法人税法か所得税法が入らなければいけません。 ちなみに多くの会計事務所や税理士法人では「国税三法」の合格者が優遇されます。 国税三法とは、法人税法・所得税法・相続税法です。 しかし、国税三法は3科目とも同じ日に行われるので、休憩時間を除いて正味の試験時間だけでも1日で6時間を戦わなければなりません。 そのため、消費税法を上記の科目に変えて受験する方もおり、これも会計の現場では重宝される組みあわせです。 あなどれないミニ税法 国税三法に対して、「さっさと受かってしまおう」という合理主義の方々も一定数いらっしゃいます。 これらの方々は、法人税法又は所得税の片方のみを選択し、残りはボリュームの少ない税法を選択します。 近年は試験以外でも大学院で論文を書くことにより科目免除になることがあり、以前よりも税理士になりやすくなったといえるでしょう。 それでも求人市場では税法3科目を揃えた方の方が印象がいいです。 ミニ税法とは、住民税・事業税・酒税・固定資産税・国税徴収法のことを指します。 実は、資産税の専門事務所であれば、固定資産税を持っている方が印象がいいです。 また税理士には弁護士の補佐人として「法廷陳述権」がありますから、弁護士と組んで税務訴訟をやりたいのであれば、国税徴収法が選択肢に入るでしょう。 科目ごとに難易度も異なりますが、それ以上に自分がもし税理士になったとき、 どういう仕事をしたいかを踏まえて科目選択をしていただければ嬉しいです。 簿記1級から税理士まとめ• 簿記1級の合格者は税理士試験の受験資格を得られる• 簿記1級と税理士試験の簿記論は出題内容の9割が被る• 簿記論の方が簿記1級よりも難しい• 税理士5科目合格を目指すのなら、科目選択も重要になる 簿記1級と簿記論について解説しました! 簿記1級から税理士に進むのなら、簿記論と財務諸表論の併行学習を是非おすすめします。 税理士試験は科目合格制で、一旦取得した科目は生涯有効ですが、会計分野に関しては改正のスピードがとても速いので、順番に取得していたのでは、基礎となる理論が変わり、勉強し直しということもよくあります。 一年間なら改正の影響はないに等しいので、簿記1級取得者は1年で2科目合格も目指してみましょう。

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簿記3級を独学で合格できる おすすめテキスト・問題集を紹介!

簿記一級 よく分かる

日商簿記3級に合格することでお金の知識を学べ就職活動も有利になる 日商簿記検定についてや、簿記を勉強するとどのような メリットがあるか解説します。 日商簿記検定とはどのような資格か? 日商簿記検定は、日本商工会議所主催の資格試験です。 毎年40万人ほどが受験する、とても人気の資格。 事務系のビジネス系資格の中で、社会で評価の高い歴史のある資格です。 日商簿記3級は、 更新も必要がなく維持費もかからないお金の知識を得られるオススメの資格です。 日商簿記3級と2級の違う点と合格率の比較 日商簿記3級と2級の大きく異なる点は、 工業簿記があるかないかです。 日商簿記3級の試験は、 商業簿記のみ。 日商簿記2級は、商業簿記だけでなく、工場などの製造現場で使う 工業簿記も試験に入り 難易度がグーンと上がります。 日商簿記3級と2級の最近の試験の 合格率を下記にまとめました。 日商簿記はお金の知識を身に着けるのに最適な資格! メリットを紹介 日商簿記検定は、 数字に強くなり経理業務に活かせる知識を学べる資格です。 また、日商簿記3級を勉強することで、経営についての いろはが身に付きます。 それ以外にも、営業利益や経常利益などの言葉が分かるようになり、企業の決算書の内容が理解できます。 簿記の知識は 株式投資にも活かせ、業績の良い銘柄を見分けることができます。 また、日商簿記3級や日商簿記2級を取得することで、新卒の 就職活動や 転職活動でプラスに評価されます。 簿記が分かると、確定申告の時にスムーズに経理処理が進みます。 個人事業主やフリーランスだけでなく、ふるさと納税や医療費控除の制度を利用して節税したい会社員の人にもメリットばかりのオススメの資格です。 日商簿記3級のおすすめの過去問題集 日商簿記検定3級を独学で合格するのに、分かりやすくてオススメの過去問の本を厳選して2冊ご紹介します。 スッキリとける日商簿記3級過去+予想問題集(スッキリわかるシリーズ) オススメの過去問題集は、 「 スッキリとける日商簿記3級過去+予想問題集2020年度」です。 この過去問題集は、資格検定の本や通信教育で人気の会社である「 TAC」さんから出版されています。 スッキリわかるシリーズの日商簿記3級の本は、日商簿記検定の対策本の中でとても売れています。 監修は、数々の簿記の本を世に送り出している「滝澤ななみ」さんです。 この本の良い点は、以下の通りです。 直近12回分の過去問を収録しており、問題を多く解け出題傾向が分かる• TACの現役講師陣が解説を執筆• 各門ごとに本試験の典型的な出題形式を厳選して解説• 巻末に答案用紙を抜き取り式で収録しており、使いやすい• 答案用紙が無料でダウンロードでき、何回でも問題を解ける• 問題別の攻略ポイントを整理してあるので、直前期の確認に最適• 最新の会計基準の改定や法改正に対応している 先ほど紹介した「スッキリわかるシリーズ」は、過去問6回と予想問題3回と一冊になっており勉強する量としても十分ですが、 もっとたくさん問題を解いて慣れ、日商簿記3級の試験の合格を確実にしたいという方にオススメの過去問題集です。 是非、手にとってみて今から合格に向けて一歩踏み出しましょう。 最後に、日商簿記3級のオススメのテキストと問題集の記事や、日商簿記2級に関するオススメの記事のリンクを下に載せておきました。 合わせて読むと、日商簿記3級の合格にさらに一歩近づけますので良かったら読んでみてください。 最後まで、読んでいただきありがとうございました。

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簿記1級に独学で受かる人の特徴4選+勉強法【会計士が解説するよ】

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税理士試験の簿記論と簿記1級の関係 簿記1級合格者や税理士試験の簿記論に合格した方でも分かっていないことがあります。 それは、それぞれの試験の性質の違いです。 まず勘違いしてしまうのは、簿記論は「論」の漢字が使われているので、論述試験もあると思ってしまうことです。 論述試験があるのは後述する「財務諸表論」や「税法科目」です。 税理士試験の簿記論では、なにか課題を与えて、それについて述べよという出題はありません。 そして、簿記1級は簿記2級に引き続いて、かなり高度なレベルの工業簿記と原価計算が出題されます。 対して簿記論では工業簿記の知識は日商2級で足りるレベルの出題のため、 簿記2級から税理士試験に挑戦する方も少なくありません(いわゆる商的工業簿記といわれるものですが、今は言葉だけ知っておけば十分です)。 他にも、簿記1級は日本商工会議所が行う「民間試験」であり、税理士簿記論は国の機関が行う「国家試験」という違いもあります。 税理士試験を受けることができる人 税理士試験には受験資格というものがあります。 これを満たしていないとどんなに優秀な頭をもっていても、門前払いにあってしまいます。 税理士の受験資格としては• 学歴によるもの• 実務経験によるもの• 資格によるもの があり、この3つの要件のうち、どれかを満たす必要があります。 なお、日商簿記1級はこのうち「資格によるもの」に該当します。 学歴や実務経験がなくても、 日商簿記1級を持っていることで受験資格の制限が免除され、税理士試験の受験を出来ることになります。 簿記1級から簿記論にステップアップする人は非常に多い 簿記論は税理士科目の中では「簡単な部類」と言わることもありますが、全然そんなことはありません。 これもご存知でない方が多いので補足しておきますが、税理士試験の受験ができる方というのは大学などで一定の単位を取った方、会計事務の経験が2年以上ある方、そして日商簿記1級の合格者などです。 つまり、母集団のレベルがもともと高いのです。 しかし、簿記1級と簿記論とで共通して学ぶことは非常に多く、 簿記1級取得者であれば、簿記の解答の仕方を知っているというアドバンテージがあります。 難易度の高い簿記論ですが、簿記1級取得者であれば大きなストレスを感じることなく、合格できる可能性は高いといえるでしょう。 このアドバンテージがあり、かつ、簿記1級で受験資格を得ているため、 税理士試験の簿記論に挑戦する方は非常に多いです。 簿記論と簿記1級の共通の試験範囲 先に、「簿記1級と簿記論で共通して学ぶことは非常に多い」と説明しました。 それがどれくらいかといいますと、 簿記1級取得者であれば、簿記論の出題範囲は9割が被っているといわれるほどです。 簿記1級と簿記論の試験範囲がどれくらい被っているかを、以下のグラフに抜粋しました。 貸借対照表に収められる、資産・負債・純資産だけでも相当重複があります。 簿記1級と公認会計士の関係は? 公認会計士試験でも、会計科目の試験が用意されています。 簿記1級を取得したレベルの受験生であれば、全く分からないという論点の方が少ないです。 そのため、簿記1級から公認会計士を目指す方も少なからずいらっしゃいます。 一方で、公認会計士は試験の特性上、会計科目以外にも監査論や企業法(主に会社法など)の知識も問われるため、 複数科目を短期集中で学習しないと、良い結果が出にくい試験です。 そして、主な受験者層は専門学校生や大学生が多数であり、仕事をしながら学習を継続することはなかなか容易ではありません。 学生は授業や講義以外の時間はすべて学習に充てて準備してくる傍ら、社会人は仕事をしながら家族サービスをし、さらに自分の学習のために時間を取ることになります。 このように 社会人の方が公認会計士を目指すのは試験の特性上かなり難しいと言えるでしょう。 税理士試験は、試験の仕組みは後述しますが、1科目ずつ自分のペースで取得していけばよいため、 社会人には税理士試験の方が好まれている傾向があります。 簿記論と簿記1級はどっちが難しい? 日商簿記1級は、「工業簿記・原価計算」も試験範囲に入っています。 はっきり申し上げて工業簿記と原価計算は、ある一定の「ひらめき」が求められます。 簿記論はひらめきが求められる試験ではないのですが、問題を読み解く力や処理のスピードが桁違いに求められるため、比較をすると簿記論の方がやや難しいと言えるでしょう。 試験の出題傾向を把握 簿記論と簿記1級では、聞かれる範囲は90%被っているのですが、 簿記論の方が知識を深く聞いてきます。 また、 簿記論はすべて計算問題ですが、適切に問題の指示に従ったり、推理力も求められる問題もあります。 そして出題傾向と対策ですが、日商簿記1級は試験傾向が毎年似ており、過去問の学習が効果的であるといえます。 また、簿記論と異なる点は、試験の問題文が丁寧に書かれていることです。 そのため、本試験で「こんなはずじゃなかった」という受験生が出ることが少ないのです。 対して簿記論は、試験委員が3人選ばれて問題を作るのですが、そのうち1人が毎年入れ替えられて問題を作成しています。 問1と問2は学者が、3問目の総合問題は実務家が作成します。 特に問1と問2は、学者の先生の得意分野が出題されることが多く、学習の中には「試験委員対策」が必要になるのも簿記論の特徴です。 その結果試験の現場では、「こんな問題見たことないぞ」という受験生が続出するため、簿記論の方が学習に苦労します。 試験の合格率を比較 日商簿記1級の難易度 上記のグラフを見るとお分かりになると思いますが、簿記1級の合格率は10%、簿記論の合格率は15%前後です。 合格率の数字だけを比較すると、簿記1級の方が難しいように思われますが、実は以下の事情で日商簿記1級の合格率が低くなるのです まず知っておいてほしいことは、簿記論と日商簿記1級の合格の仕組みです。 日商簿記一級は100点満点のうち70点以上が合格ラインで、これを超えれば全員が合格する仕組みです。 しかし、70点以上の得点をしても不合格になる、「足切り」の制度があります。 配点は、商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算に各25点が割り振られ、そのうち1科目でも正答率が40%未満 10点未満 だと、その時点で不合格になるのです。 しかし試験は例年6月と11月の2回行われるため、「前回だめでも今回はリベンジしてやる」ということができますので、一概に日商簿記の合格者が少ないということはいえません。 簿記論の難易度 これに対して簿記論を含む税理士試験は、例年8月上旬に行われ、 実施は年に一回しかありません。 合格基準点についても、「試験の60%以上の得点で合格とする」という建前がありますが、60%を取っても合格できない場合があります。 それは、税理士試験は実際には競争試験となっており、得点の上位者から順番に合格していき、一定の点数 これは公開されません 以下になると、それから下の方は全員不合格となってしまうからです。 税理士試験は幅広い境遇の人が受けています、自分に置かれた状況の中でベストを尽くしてくるのですが、チャンスは年に一回巡ってくるものなのです。 それで駄目なら、また来年ということになる厳しい試験で、 難易度としては簿記論の方が高く、より受かりにくい試験であるといえます。 合格までの勉強時間は? これは各専門学校が同じような基準で発表しています。 税理士の会計科目(簿記論と財務諸表論)はそれぞれ500時間ずつ、簿記1級も同じくらいの勉強時間とされています。 ただし 学習の進み具合は個人差が非常に大きいため、世間一般でいわれている勉強時間で比較することは難しいでしょう。 ちなみに、税理士試験の簿記論以外の科目については「理論」といい、会計の原則規定や税法の条文を覚えるという学習があり、概ねA3規格の解答用紙2枚程度に条文の知識を書ききらないと合格はありません。 計算よりも理論が苦手だという方も多いので、税理士の受験を検討されている方は覚えておきましょう。 試験の受験者層を比較 簿記1級は、受験資格がなく、誰でもチャレンジできる試験です。 高校生での合格者もいます。 しかし、主に商業高校や簿記専門学校では力を入れている資格なので、独学で太刀打ちができないともいえませんが、主に学生や資格学校の社会人過程で学ぶ人の方が合格率は高いです。 こうした理由もあって、いきなり簿記1級からチャレンジする人は極めて少数派です。 一方で、税理士試験の簿記論について考えてみると、当然「日商簿記1級の合格者」が多く参加しています。 その他大学で経営学や会計学を学んだ方、会計事務所の職員で税理士を目指す方も受験します。 そしてこれらの受験資格を持った人の中で、上から15%程度が合格するという仕組みになっています。 簿記1級の受験者もほとんどは簿記2級などを経て、1級に合格したわけですから、簿記1級合格者のレベルが低いわけではありません。 要するに同じ土俵で戦うライバルのレベルが、簿記論の方が桁違いに高いというだけです。 人気講座ランキング (上位3社) 簿記論と簿記1級のメリットを比較 簿記1級を取得するメリット 簿記1級を取得するメリットは、公認会計士・税理士などの会計専門職を除けば、 簿記1級合格者は「会計のプロフェッショナル」と評価されることです。 この評価は新卒採用だけにとどまらず、転職でも、会社の部署異動の際にも、考慮してもらえたりするくらいです。 特に簿記1級の合格者は独自に「工業簿記」と「原価計算」の知識も担保されているわけですから、製造業の原価計算部門などからは転職の引き合いがあるなど、人生の選択肢が広がるわけです。 また、自分で独立して商売を始めると、当然ながら会計帳簿を付ける必要があります。 簿記1級の合格者なら、確定申告の申告書の作成以外は、すべて自分でできるはずです。 現代では大企業に就職するか、自営でスモールビジネスをすることが増えてきています。 また、大企業の社員でも「副業解禁」の流れの中で、 なにかビジネスを始めた際にも帳簿付けに時間をかけることはないでしょう。 簿記論に合格するメリット 簿記論に合格すれば、当然のことながら税理士試験合格への大きな足掛かりとなります。 そのまま勢いに乗って他の科目も取得する方もいるくらいで、働きながらでも5年前後で税理士試験に合格する方も多数います。 それ以外にも、簿記論1科目だけの科目合格でも、会計業界では入社の際に優遇され、資格手当が出ることもあり、 1科目合格の際でもメリットは日商簿記1級と比べてもかなり大きいといえます。 実際、8割近くの会計事務所や税理士法人では、1科目だけの合格者でも歓迎され、即戦力として期待されます。 そのため税理士資格を取得せず、簿記論の合格単体でもメリットはとても大きいです。 簿記1級から簿記論を学習する際の注意点 これまで述べたように、簿記1級から簿記論を目指す方は非常に多いので、ちょっとした注意事項を説明していきます。 財務諸表論も並行して勉強するのがおすすめ 税理士試験合格を検討されている方には、簿記論と並行して財務諸表論も勉強するのがおすすめです。 どちらも会計科目であり内容の親和性も高く、日商簿記合格直後であればモチベーションも高く、知識も十分に維持されています。 これは他の受験生に比べて圧倒的に有利といえます。 また、簿記論と簿記1級は学習範囲が被っていると前述しましたが、 実は財務諸表論という科目は、簿記論を使って計算した金額を、「どのように表現するか」を学ぶものです。 つまり、簿記論・財務諸表論の合計学習時間を減らす効果と、2科目同時合格の可能性もあるのです。 ちなみに簿記論と財務諸表論の両方を取得している方は、公認会計士試験の短答式の財務会計論が免除されます。 税理士を目指すと公認会計士への道も自然と近づくので覚えておきましょう。 その後の科目選択も重要 税理士試験は会計科目以外にも税法科目というものがあります。 ここからは体で何度も仕訳を書いて覚えたという様な学習方法では行き詰ってしまいます。 しっかりと条文を読めるようになって、税に関する法律の専門家という意識を持たなければなりません。 税法科目は全部で9科目あります。 そのうち、 法人税法と所得税法が選択必須科目となっています。 つまり税法3科目のうちに、法人税法か所得税法が入らなければいけません。 ちなみに多くの会計事務所や税理士法人では「国税三法」の合格者が優遇されます。 国税三法とは、法人税法・所得税法・相続税法です。 しかし、国税三法は3科目とも同じ日に行われるので、休憩時間を除いて正味の試験時間だけでも1日で6時間を戦わなければなりません。 そのため、消費税法を上記の科目に変えて受験する方もおり、これも会計の現場では重宝される組みあわせです。 あなどれないミニ税法 国税三法に対して、「さっさと受かってしまおう」という合理主義の方々も一定数いらっしゃいます。 これらの方々は、法人税法又は所得税の片方のみを選択し、残りはボリュームの少ない税法を選択します。 近年は試験以外でも大学院で論文を書くことにより科目免除になることがあり、以前よりも税理士になりやすくなったといえるでしょう。 それでも求人市場では税法3科目を揃えた方の方が印象がいいです。 ミニ税法とは、住民税・事業税・酒税・固定資産税・国税徴収法のことを指します。 実は、資産税の専門事務所であれば、固定資産税を持っている方が印象がいいです。 また税理士には弁護士の補佐人として「法廷陳述権」がありますから、弁護士と組んで税務訴訟をやりたいのであれば、国税徴収法が選択肢に入るでしょう。 科目ごとに難易度も異なりますが、それ以上に自分がもし税理士になったとき、 どういう仕事をしたいかを踏まえて科目選択をしていただければ嬉しいです。 簿記1級から税理士まとめ• 簿記1級の合格者は税理士試験の受験資格を得られる• 簿記1級と税理士試験の簿記論は出題内容の9割が被る• 簿記論の方が簿記1級よりも難しい• 税理士5科目合格を目指すのなら、科目選択も重要になる 簿記1級と簿記論について解説しました! 簿記1級から税理士に進むのなら、簿記論と財務諸表論の併行学習を是非おすすめします。 税理士試験は科目合格制で、一旦取得した科目は生涯有効ですが、会計分野に関しては改正のスピードがとても速いので、順番に取得していたのでは、基礎となる理論が変わり、勉強し直しということもよくあります。 一年間なら改正の影響はないに等しいので、簿記1級取得者は1年で2科目合格も目指してみましょう。

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